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休職との違いは?『キャリアブレイク』の経験者に熱視線!![]() 働き方の多様化が進むなかで、日本でも「キャリアブレイク」という考え方が広まってきました。 キャリアブレイクとは、労働者が仕事から一時的に離れ、自身のキャリアや人生について深く考える期間を指します。 近年では、欧米を中心にキャリアブレイクを前向きにとらえる動きがあり、日本でもキャリアブレイク経験者の採用を積極的に行なっている企業があります。 今回は、企業の採用担当者に向けて、キャリアブレイクの具体的な中身や経験者が注目される理由などを説明します。 キャリアブレイクの重要性が注目される理由 キャリアブレイクの目的は、労働者が日々の業務から離れ、自己の内面と向き合い、本当にやりたいことや目指す方向性を再確認することにあります。 また、これまで培ってきたスキルや経験を振り返りながら、今後のキャリアプランを戦略的に練り直すことも含まれます。 期間は数週間から数カ月、あるいは1年以上に及ぶことも少なくありません。 従来の働き方において、キャリアは直線的に積み重ねていくものと考えられがちでしたが、変化の激しい社会情勢や個人の価値観の多様化に伴い、今はキャリアの途中で意図的に立ち止まり、方向転換や再構築を図るという考え方が広まりつつあります。 キャリアブレイクは、決してキャリアの停滞ではなく、むしろより充実した自分らしいキャリアを築くための積極的な行動と位置づけられます。 キャリアブレイクは、リカレント教育やワークライフバランスなどが注目されている現代だからこそ、より重要性が高まっています。 終身雇用制度の崩壊や雇用の流動化が進むなかで、労働者は一人ひとりが主体的に学び直し、自身のキャリアを形成していく必要があります。 そのため、労働者は企業に依存するのではなく、自分のスキルや経験を磨き、市場価値を高めていかなければいけません。 また、長時間労働や過度なストレスを避け、自分自身の時間や価値観を大切にしたいというニーズが高まるなかで、心身のリフレッシュを図り、新たな気持ちで仕事に向き合うための期間も必要です。 さらに、グローバル化の波も無視できません。 海外では、キャリアブレイクは一般的な概念として浸透しており、多くの人々が積極的に活用しています。 日本においても国際的な競争力を高めるためには、多様な経験や価値観を持つ人材の育成や活用が不可欠であり、キャリアブレイク経験者は、その一翼を担う存在として期待されています。 ただし、海外におけるキャリアブレイクは、在職中に企業が制度として設けたり、個人が自発的に申し出て一定期間休職したりするケースが多いのに対し、日本では一旦退職して、期間を空けて転職活動を行うというケースがよく見られます。 このような状況から一部の企業では、社員のキャリア自律を支援する観点から退職ではなく、一時的な休職として業務から離れる「キャリアブレイク制度」を導入する動きも出てきています。 キャリアブレイク経験者採用時のポイント 日本でもキャリアブレイクを経験した人材の持つ可能性に注目し、積極的に採用しようとする企業が増加しています。 これらの企業は、労働者のキャリアブレイクを通して得られた主体性や多様な視点、適応能力、そして何よりも成長意欲の高さを評価しています。 キャリアブレイク中に、異文化に触れたり、新しい分野を学んだり、社会貢献活動に参加したりと、多様な経験を積んだ人材は、従来の組織にはない新たな視点や発想をもたらしてくれる可能性があります。 また、みずからの意思でキャリアを中断し、将来について深く考え、行動してきた経験は、高い主体性と自律性の礎となります。 キャリアブレイク経験者は、みずから課題を発見し、解決に向けて積極的に動く人材の可能性が高いといえます。 さらに、キャリアブレイクという大きな変化を経験し、乗り越えてきた人材は、変化への適応力や柔軟性が高い傾向にあります。 不確実性の高い現代において、環境の変化に対応できる人材は、組織にとって大きな強みとなります。 このようなキャリアブレイク経験者を採用する際は、なぜキャリアブレイクを選択したのか、その期間に何を経験し、何を得たのかを詳しくヒアリングしましょう。 単なる離職期間としてとらえるのではなく、その経験が応募者の成長にどのように影響しているのかを見極めることが重要です。 同時に、キャリアブレイクを経て、どのようなキャリアを描いているのか、自社でどのように活躍したいと考えているのかを具体的に確認する必要があります。 入社後のミスマッチを防ぐためにも、双方の考え方や価値観をすり合わせるようにしましょう。 キャリアブレイク経験者の採用は、従来の採用選考とは異なる視点を持つことが重要です。 たとえば、書類選考や面接だけではなく、グループディスカッション、ワークショップなど、多様な選考方法を取り入れることで、応募者の多面的な能力や適性を評価することができるでしょう。 8月 - August 2025
固定資産税の特例措置が2年延長! 適用の要件とは?![]() 2025年度の税制改正において、「先端設備等導入計画」に基づく固定資産税の特例措置の期間が、2027年3月31日まで2年間延長されることになりました。 この特例措置は、企業の設備投資を後押しし、地域経済の発展や活性化につなげることを目的としています。 今回の延長によって、より多くの中小企業が最新の設備を導入し、生産性の向上を図ることが期待されています。 ただし、特例措置を受けるには、適用要件があります。 措置の対象となっている中小企業に向けて、固定資産税の特例措置に関する具体的な内容を解説します。 先端設備等導入計画で導入した設備が対象 2025年度の税制改正は、多岐にわたる項目に及んでいますが、中小企業にとって特に注目すべきなのが、固定資産税の特例措置の延長です。 固定資産税の特例措置とは、「中小企業等経営強化税制」に基づく「先端設備等導入計画」に沿って取得した設備について、一定期間、固定資産税の課税を軽減する制度です。 従来は、2025年3月31日までに取得した設備が対象とされてきましたが、今回の改正により、その適用期限が2027年3月31日まで2年間延長されました。 そもそも中小企業等経営強化税制は、2016年5月に中小企業投資促進税制の上乗せ措置として創設されました。 中小企業投資促進税制は、中小企業が生産性を向上させる設備や、収益力を強化させるための設備などを取得した際に、その費用について特別償却や税額控除を認める制度です。 そのうえで、さらに企業の生産性向上や経営力強化を支援するために設けられたのが、中小企業経営強化税制ということになります。 それでは、今回の税制改正により延長された固定資産税の特例措置の中身を確認しておきましょう。 特例措置は「先端設備等導入計画」に沿って導入された設備に対して適用されますが、この先端設備等導入計画は、事業者が設備投資を通じて生産性の向上や業務の高度化を図るためのもので、市町村の認定を受ける必要があります。 先端設備等導入計画に含まれる具体的な設備としては、160万円以上の機械装置、30万円以上の器具備品、60万円以上の建物附属設備(家屋と一体となって効用を果たすものを除く)、30万円以上の測定工具および検査工具などがあげられます。 なお、これらの設備は、年平均の「投資利益率」が5%以上となることが見込まれるものでなくてはいけません。 投資利益率とは、投資によって得られた利益が、投資額に対してどれほど効率的だったかを示す指標のことです。 5%以上ということは、たとえば160万円以上の機械装置を取得する予定の場合、8万円以上の純利益が出せる見込みであれば、要件を満たしていることになります。 また、生産、販売活動などの用に直接供されるものであることおよび中古の設備は認められず、新品の取得でないと措置が受けられないことにも注意が必要です。 対象の事業者と措置を受けるための要件 措置の対象となる事業者は、資本金の額または出資の総額が1億円以下の法人か、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人もしくは個人事業主です。 ただし、大企業の子会社など、一定の要件に該当する事業者は対象外となる場合があります。 対象の事業者は、市町村が策定している「導入促進基本計画」に適合したうえで、労働生産性を年平均5%以上向上させる先端設備等導入計画の認定を受ける必要があります。 計画の作成には、設備の導入目的や効果、導入後の具体的な数値目標などを詳細に記載する必要があります。 計画の内容が不十分な場合や、市区村の示す要件を満たしていない場合は、認定を受けることができません。 計画の作成にあたっては、中小企業診断士や税理士などの専門家の支援を受けながら、慎重に進めるようにしましょう。 計画の認定を受けた事業者は、「雇用者給与等支給額」を1.5%以上増加すると表明した場合、対象設備の課税標準が3年間、1/2に軽減されます。 雇用者給与等支給額とは、従業員に対して支払う給与・賃金などの総額を指します。 さらに、雇用者給与等支給額が3.0%以上増加することを表明した場合は、課税標準が5年間にわたり1/4に軽減されます。 今回の改正による固定資産税の特例措置の延長は、中小企業にとって設備投資を促進する絶好のタイミングとなります。 2025年4月1日から2027年3月31日までの間に、事業用として設備を取得する予定があれば、特例措置の適用を検討してみてはいかがでしょうか。 この機会を最大限に活用し、最新の設備導入を通じて、企業の競争力強化と持続的な成長を目指しましょう。 ただし、特例措置の適用を受けるためには、中小企業等経営強化法に基づく先端設備等導入計画の策定はもちろん、対象となる設備の要件や、申告手続きについても正確に理解しておく必要があります。 適用を受けるにあたって、不明な点や不安な点があれば、専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。 |