あなたの会社で、成績が伸び悩んでいる営業マンを何人か思い浮かべてみてください。
その人たちの共通点は何ですか? 恐らく、お客様と会うと名刺交換もそこそこに商品やサービスの説明を延々としていると思われます。では、なぜ延々と商品説明する営業マンが受け入れられないのでしょうか?
商品カタログ程度の情報には価値を感じない
延々と商品説明する営業マンが受け入れられない理由は何でしょう?
努力が足りない? ガッツが足りない? それもまったくの無関係ではありませんが、インターネットの台頭にあります。今ではインターネットで気軽に無料で情報を得られます。その一方で、顧客と営業マンの情報格差が消滅してしまいました。つまり、クリックさえすれば手に入るような商品カタログ程度の情報に、顧客は価値を感じなくなったのです。
では、営業マンは商品説明以外に何を伝えればよいのか?
それは、営業マン個人のプロフィールです。どんな育ち方をしてきたのか、どんな考え方をするのかなど、営業マンの人となりを伝えます。それによって、顧客は「この営業マンは信用できる」「正しいジャッジをしてくれそう」と判断し、商品やサービスを購入するようになります。
不動産や自動車など高価な商品を買うとき、担当者の人柄や対応が大きな判断材料になった経験は多々あるでしょう。つまり「何を買うか」と同じだけ「誰から買うか」が重要なのです。相手の信用を得るための自己アピールノウハウを習得することが、営業マンの成績アップ、ひいては会社の業績アップにつながります。
業績好調かつ社員を大切にしている会社の事例を集めている書籍『日本でいちばん大切にしたい会社』『日本でいちばん大切にしたい会社2』(坂本光司著、あさ出版)が話題になっています。
そのなかで取り上げられている未来工業株式会社(岐阜県)は、ここ20年来5%以上の売上高経常利益率をキープ。その一方、年間休日数140日前後と「日本一休みの多い会社」として有名です。同社にはさまざまなエピソードがありますが、そのひとつに「社員数780人のオフィスでコピー機が1台しかない」という驚くべき特徴があります。
コピー機の列=コミュニケーションの場
「列に並んで順番を待つのは非効率。コピー機を増やせばいいのに」
多くの方がこう考えるのではないかと思います。
しかし、未来工業ではコピー機を増やすことを考えていません。なぜだと思いますか?
それは、コピー機に並ぶ列を「社員間のコミュニケーションの場」と、とらえているからです。
コピー機の列には、普段話すことがない他部署の社員がいます。順番を待っている間に世間話や仕事の話をすることで、コミュニケーションの活性化につながります。すると社内の風通しがよくなり、生産性が向上します。コピー機増設による効率化よりも、コミュニケーション活性化による生産性向上のほうが、大きな効果をもたらすと同社では考えているのです。
どんな会社でも多かれ少なかれ部署間の壁が存在します。コピー機に限らず、部署や世代の壁を越えたコミュニケーションが取れる「場」を提供することを、経営者の方はいま一度検討してみてはいかがでしょう。