2011年話題となったアイドルグループ・AKB48。総勢60人前後で構成されていますが、メンバー全員を均等に売り込んでいるわけではありません。曲ごとにセンターポジションに位置するメンバーが存在し、プロモーションを進めています。
「メンバーがたくさんいて、より取り見取りだから、誰が誰だかわかるように売ればいいのに」という意見も出てきそうですが、特定のメンバーを「センター」として売り出すのには、理由があるのです。これは一般企業のマーケティングにも応用できます。
「センター」の人気が出ればグループと他メンバーの知名度が上がる
なぜ、AKB48は「センター」が存在し、そのメンバーを中心にプッシュするのでしょう? 理由のひとつが「知名度を上げるため」です。
アイドルグループ内で「顔」となる、存在感のあるメンバーが一人でもいれば、多くの人々への訴求が進みます。そのメンバーの知名度と人気が高まれば、グループ全体を引っ張るようになり、グループの知名度と人気もアップ。続いて他のメンバーの知名度と人気も出るようになるのです。「おニャン子クラブ」「モーニング娘。」など、これまで成功したアイドルグループは、どれも同じ手法を取ってきました。
「顔」の品質を改善し、売れる仕掛けを工夫するのに注力する
企業でも同じことがいえます。会社の知名度を上げようとチラシやDM、Webなどでマーケティング活動をする前に、会社の「顔」となる商品やサービスは何なのかをいま一度考えてみましょう。全売上に占める割合が高かったり、売上数量が多い商品・サービスがこれに当てはまります。
こうした商品・サービスが見つかったら、それを「顔」に高めることにウエートを置きます。クオリティーを改善し、売れる仕掛けを工夫してみるのです。そうすると知名度アップの加速度がつき、ビジネスが発展するでしょう。
昨年連続ドラマで、最終回の平均視聴率が40%という脅威の記録を打ち立てた「家政婦のミタ」。
「承知しました」と、仕事はすべて完璧にこなすものの、常に無表情かつ機械的で、業務命令ならば犯罪スレスレの行為も平然と行う「ミタさん」に、多くの人が画面にくぎ付けになりました。実際にミタさんのような人材が会社にいたらどうでしょう? 「優秀な人材はぜひ欲しい」「気味が悪くて使いづらい」など、意見が分かれるところだと思います。
企業文化とマッチするかも採用の指標になる
社員を採用する際、求められるものは何でしょう? 第一には業務を遂行する能力です。しかし、能力だけあればそれで十分なのでしょうか?
どんな企業にも「企業文化」があります。それは社員一人ひとりが業務を行う際の指針となります。ある会社は「チームワーク」だったり、またある会社は「実力第一」だったりします。会社が掲げる価値観にマッチしない人間が入社しても、伸び伸びと実力を発揮することができません。
企業は組織である以上、協調性も求められます。採用時には、こうした企業文化への適応度合いと協調性もしっかり確認することが不可欠といえるでしょう。
そう考えると、先のミタさんのような社員は、協調性に難があるかもしれません。
“一匹狼社員”は周囲のモチベーションを落とす
例えば、会議やミーティングにはほとんど出ず、部署全体で手掛ける業務にも手を貸さず、自分の仕事だけを淡々とこなしてトップクラスの実績を上げている“一匹狼社員”がいたとします。「売上をしっかり上げているからいいや」と、会社が放置したらどうなるでしょう?
“一匹狼社員”の存在は、間違いなく周囲に悪影響を及ぼします。ミーティングに必ず出席し、チームワークを大事にしている社員は「まじめにやるのがバカバカしい」と思うようになり、モチベーションが下がります。あるいは、若手社員が“一匹狼社員”を真似るようになり、徐々に全体の協調性がなくなっていきます。職場全体の士気が落ちるのは確実。企業が積極的に関与し、状況の改善を図る必要があります。
社員を採用する際、どうしても過去の経歴や能力ばかりにとらわれがち。もちろん、それらも大事ですが、人間性や協調性も加味して、入社したときに及ぼすであろう影響も考えて採用することが望まれます。