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生前贈与を110万円ではなく、111万円で行う理由

知っていましたか?? 年間110万円まで贈与税が課税されないということ。

 相続税が増税になったことで、相続が発生すれば、これまで以上に多くの人が負担感を
覚えるでしょう。

 ですから、従来以上に生前贈与が重要になってきます。

 とはいえ、「生前贈与をしたいのは、やまやまだけれど、贈与税は高いのではないか」
と感じている人も少なくないはずです。

 ですが、贈与税の仕組みをうまく利用すれば、贈与税を節税しながら、結果として相続
税を減らすことができます。その方法を紹介していきましょう。
 贈与は年間110万円まで課税されません。これを贈与税の基礎控除と言います。
 
 

 年に110万円までをコツコツと贈与すれば、その分相続財産が減っていき、相続税を
おさえられる計算です。

 年110万円だとそれほど大きな額に感じられなくても、5年続ければ550万円、
10年続ければ1100万円、20年続ければ2200万円です。

 実は相続税を減らす最大のポイントは、生前から計画的に、贈与等によって相続財産を
移して、減らしていくことなのです。
 例えば、60歳の時点から、相続税対策を始めたとして、年110万円の贈与を行うと、
平均寿命が80歳超ですから、約20年間続けることができます。

 

ちなみに110万円の基礎控除額は、贈与を受ける人1人あたりの金額です。
 ですから、子供が3人いて20年間贈与を続けたと仮定すると、2200万円×3人=6600万円。

 

これだけの財産を無税で相続させることができるのです。
 さらにこの控除は、子供だけではなく、孫に贈与するときにも認められています。

 子供3人にそれぞれ孫が1人ずついると仮定し、計6人に20年間贈与を行うと、2200万円×6人=1億3200万円。これだけの金額を相続人に残すことができるのです。

このようにして毎年贈与を行うことを暦年贈与(一般贈与)と呼びます。
 暦年贈与を実行するときの注意点をまとめておきましょう。
1贈与した事実の証拠を残すこと
 ・預金間で振込みをする
 ・契約書を交わしておくことがベター

2贈与を受けた人が通帳や印鑑を保管活用していること
 ・贈与した人が通帳や印鑑を管理していてはいけない
 ・贈与を受けた人が通帳や印鑑を自由に使っている

3毎年同じ金額にしないこと

 

 暦年贈与について相続税の税務調査でよく問題になるのは、実際に贈与が行われたかどうかという点についてです。
 

相続人と被相続人の間にまったく金額の移動がないのに「父の通帳にあるこの1000万円は、父から毎年100万円ずつ贈与されたものだ。一時的に父の通帳に保管してあるだけだ」と税務署に主張しても認められません。
 

 

贈与する人と贈与される人の預金間で「出金と入金の事実があり、その金額が一致して
いる」ことがポイントです。通帳などにその証拠を残しておくようにしましょう。

 

111万円贈与は確実に証拠を残す方法

 

 一番確実に証拠を残す方法は、少し面倒かもしれませんが、贈与税の申告書を提出する
ことです。110万円を1万円だけ増やした111万円の贈与をして、1万円だけに対す
る贈与税1000円を支払っていく方法もあります。

 

贈与契約書をつくることも有効です。このようにして残せる証拠は残すべきです。

 さらにおすすめしたいのは、今年は110万円、来年は100万円、再来年は105万
円というように毎年いくらかでも金額を変えることです。

 

毎年一定の金額を贈与していると税務署に「定期贈与契約」とみなされ、総額に課税されることもあるからです。
 

 

また、「お互いの通帳は、お互い別々に保管しておく」ことが大切です。被相続人が毎
月贈与の実績を残すために、相続人に同じ金融機関の通帳をつくらせて、それを被相続人
が預かり、毎月記帳していれば、贈与とは認められなくなる可能性があります。

税務署もその辺は通帳の日付を確認するなどして、厳しくチェックしています。
 贈与する人、される人がお互いに通帳や印鑑(異なる印鑑を使いましょう)、カード等
を所有・管理していないと、せっかく積み重ねてきた節税の努力が無駄になってしまいま
す。十分注意してください。

 なお、暦年贈与の非課税枠110万円にこだわらず、相続税の税率以下の贈与税の税率
の範囲内で贈与行う、という方法もあるでしょう。

相続税の予測される税率が、仮に最高税率の55%と見込まれる方の場合、たとえ20%の贈与税が課税されたとしても、相続税で55%課税されるよりも節税になるからです。

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